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ニュースリリース

月刊カートンBOX 2006/1月号
業務ソフトの進化形で現場を”最適化”
業界の再編の波をチャンスに変える

「包装設計と基幹業務システムとWeb-この3つを融合させビジネスに活かす。独立してやりたかったのはそういうことだったんです。もうすぐ手が届くところまできています」

アドバンステクノロジーシステム(以下ATS、愛知県稲沢市、TEL0587-24-3178)の加藤康二社長はいう。紙器・段ボール業界向け基幹業務ソフトの企業から独立して2001年、ATSを設立。包装設計から物流までトータルシステムを提供し、業績を着実に伸ばしている。ソフト会社に勤める前は紙工機械の営業・メンテナンスを行う企業に勤務していた。段ボール製造現場の経験もあり、様々な立場から業界に関わってきた人である。それだけに現場の問題点を指摘する視点は率直だ。
「生産管理というのは非常にきれいな言葉なんですが、紙器・段ボール企業の実情にはしっくり来ない気がします。受注して生産するという基幹業務の一部に生産管理的要素があるというのが実際的だと思っています」

ソフトの設計コンセプトも明解そのもの。 
「製造現場が何を求めているかーという問いに対する私の考えは「製造指図書」です。これを基本に現場と管理部門の意思疎通を迅速・的確にシステム化するというのがATSの基幹業務ソフトの思想です」

シンプルな考え方だが、製造現場が10あれば、改善手法も10通りある。箱作りの経験もある加藤氏は、ソフト会社といってもIT化を闇雲に勧めたりはしない。
「たとえば工具の棚を使いやすくするというアナログ的なアプローチから入ることもあります。要はわれわれの役割は現場を効率化するということなんですから」

基幹業務システムを扱うだけに、昨今の企業統合、工場集約化の影響は避けられない。システムの導入を進めていた工場が吸収されたりするとそれまでの取組みがリセットされてしまうこともあるという。
「業務ソフトは導入してからもユーザーの実情に応じて進化させていくものなので、数年先が読みにくいという状況は難しい面もあります。しかし、新しい担当者や同業他社とコミュニケーションしていくことで、状況を良くしていくことはできます。基本は「ユーザーの仕事の流れを止めない」ということ。 反面、いまの状況はビジネスチャンスになり得ると考えています」

大手一貫メーカーが地場の専業メーカーを系列化した場合などは、必ずしも大手のシステムに一本化することが改善につながるとは限らない。
「専業には専業、一貫には一貫にふさわしいシステムがあります。各工場に最適なシステムを構築し、工場間のインターフェースを開発するという提案も行っています」と加藤氏は述べている。

2006年の目標は、まず冒頭の「包装設計と基幹業務、Webの融合」を形にすること。現在、見積もり原価計算ソフトとして販売している「Score!Factory」を次世代の基幹業務ソフトに進化させていく計画だ。
ATS
アドバンステクノロジーシステム株式会社